2019年10月24日、第27回大都市制度協議会(法定協議会)が開催されました。
今回、主に協議されたポイントは以下の項目です。
①4つの区割り
②特別区の名称
③特別区の本庁舎位置
④地域自治区の名称について
⑤庁舎整備経費の抑制について
⑥システム改修経費の抑制について
⑦選挙区について
⑧議員定数、報酬について
①区割りの確認について
人口バランス、財政基盤の安定化と均衡、地域コミュニティなどを考慮し、下の表の案が最適との判断が示されました。
特別区の名称
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区域
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本庁舎の位置
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本庁舎の呼び方
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議員定数(83名)
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1区
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淀川区
(東西区から変更)
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此花区 港区 西淀川区
淀川区 東淀川区
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現淀川区役所
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淀川区本庁舎
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18名
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2区
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北区
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北区 都島区 福島区
東成区 旭区 城東区 鶴見区
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現大阪市本庁舎
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北区本庁舎
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23名
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3区
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中央区
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中央区 西区 大正区 浪速区
住之江区 住吉区 西成区
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現中央区役所
(西成区役所から変更)
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中央区本庁舎
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23名
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4区
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天王寺区
(南区から変更)
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天王寺区 生野区 阿倍野区
東住吉区 平野区
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現天王寺区役所
(阿倍野区役所から変更)
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天王寺区本庁舎
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19名
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②区の名称変更について
1区の東西区を淀川区、4区の南区を天王寺区に名称変更することが提案されました。
1区:東西区→淀川区へ変更
2区:北区
3区:中央区
4区:南区→天王寺区へ変更
<変更理由>
・淀川区、天王寺を希望する声が多数あった。(独自のサンプル調査)
・歴史的背景や地勢的な面からも淀川区、天王寺区が良いと考えた。
③本庁舎の位置の確認について
3区と4区の本庁舎の位置変更が提案されました。
4区:天王寺特別区本庁舎を阿倍野区役所→天王寺区役所へ変更。(素案では阿倍野区役所)
3区:中央特別区本庁舎を西成区役所→中央区役所へ変更。(素案では西成区役所)
(※淀川特別区、北特別区は素案どおり)
<変更理由>
・阿倍野区役所、西成区役所を本庁舎にした場合、議会機能が入りきらず、本庁舎と議会機能を同一施設におさめることが出来ない。
変更案では本庁舎と議会機能を同一施設に収めることができるようになる。
・地域自治区を「区役所」と名称を残す場合に、例えば中央区本庁舎の中に西成区役所があるといったような複雑になる可能性が高かったが、変更案なら、本庁舎との混同も回避できる。
・素案の評価項目(住民からの近接性や、交通の利便性、都市の中心性)の中で、交通の利便性や都市経済の中心性の項目で、高く評価されていた。地理的に中心ということに縛られることなく、経済圏の中心地、ターミナルの結節点とも整合性がはかれるなど多面的に判断することが必要。
④地域自治区の名称について
現在の区役所名を継続して用いる方向性となりました。
素案では「地域自治事務所」となっていたが、前回の協議会において公明党さんからのご提案により、市民に根付いた区役所の名称を使用する旨の提案がなされた。特別区になったあとも変わらず地域を見守る区役所の名称がそのまま残ることは望ましい。
窓口サービスや市民協働の支援など、区役所の業務が基本、今まで通りで変更がないということは、区役所の名称に変更がないことでより伝わりやすく、特別区の主たる事務所を本庁舎と呼ぶことで名称の使い分けを図る案で良いと考える。
⑤庁舎整備経費の抑制について
中之島庁舎を最大限活用し、コストを抑制する案である、中之島庁舎をフル活用する案が良いと示されました。
中之島庁舎フル活用案において、移行時の住民負担が300億円以上、かつ毎年のランニングコストも10億円以上減少する。最大限、既存の施設を活用し、スムーズに移行が進むよう取り組む。
なお、政令市のままであったとしても、将来的には築50年を超える阿倍野区役所をはじめ、各区役所とも建替えが必要となる。特別区移行後に、公選区長と区議会が議論していくべきものと考える。
⑥システム改修経費の抑制について
移行時は、特別区への円滑な事務を行うことが重要となるので、住民サービスに支障をきたさない、現行システムの機能を継続してかつ活用することが最適であると考える。
システム改修経費は総務省が提案している自治体クラウドを導入することで2割から4割の削減可能。コスト削減の考え方としては自治体クラウドと整合性がある。他の自治体との共同利用など、より効率的なシステム構築については、特別区設置後に業務の継続性や共同利用できる技術の進展などを勘案し、検討、判断することが適切である。
⑦選挙区について
特別区全体を選挙区とする大選挙区が望ましい。
特別区全体を一つの選挙区とする大選挙区制が望ましいと考える。これまで市議会議員は大阪市全体に責任を負う立場でありながら、行政区単位での選挙で選出されてきた。選挙区によっては、当選している者よりも多くの票を集めながら落選となっている候補者もおり、市民の民意を正しく汲んでいるのか疑問がある。特別区全体を一つの選挙区とし、得票順位で選出される仕組みに改めることが良いと考えている。
⑧議員定数・議員報酬について
現在の議員定数(83人)、現行の削減後の議員報酬をベースとして考える。
議員の定数は現状83人で大阪市政の運営を滞りなく担えていることから、特別区移行時の議員定数としては現行の議員定数を踏襲するべきと考える。
新たに特別区が設置された場合、広域にかかる事務が府に移管され、行う事務が減少することから、各特別区において、議員定数のあり方についても議論されることがのぞましい。議員報酬については、現在、特例として減額している現在の報酬額をベースとして各特別区議会議員の報酬額に定めるべきと考えるが、各特別区議会での議論を経て決定されることが望ましいとと考える。
次回予定
次回は11/5日に、事務分担、住民サービスの維持、財源配分について協議が行われます。