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「婚外子差別は違憲」の影響は限定的

婚外子

今回問題となった「婚外子差別」は、結婚した男女の子どもに対して、結婚しない男女間の子どもは相続の権利が半分しかないという法律です。
これを違憲とする判断が最高裁で示されました。

婚外子訴訟最高裁決定要旨

これについて意外に大きな批判が出されていますが、わたしは、実際には影響はそれほど大きくないのではないかと思っています。

 

賛成意見(婚外子は差別すべきでない)

・子供に責任はない
・海外では当然のことで、先進国では日本だけの差別である
・時代が変わったことで、多様な家族形態が認められるようになった

反対意見(現在の区別を継続すべき)

・婚姻制度が崩壊する
・本妻の権利はどうなるのか
・外国人に狙われる
・不倫を正当化することになる
・夫婦で築いた財産なのに片親が違う婚外子も平等はおかしい
・いきなり愛人の子が現れて遺産持っていかれるんだから揉める

 

わたしも以前、少子化問題の一つとして、この問題を取り上げています。

少子化対策の根幹は「婚外子」の権利を認めることから始まる

諸外国の進み方から考えても、日本も婚姻制度の多様化を認め、柔軟性を確保し、そろそろこの差別を撤廃すべきという考えでした。

今回実際に違憲だという判断が示されたことで、たくさんの考え方が出され、議論が深まりました。
この問題は、論点が非常に多く、今後もたくさんの意見が出されることでしょう。

 

この法律は平成7年には最高裁で合憲と判断されています。18年経って、最高裁の判断が変わったことになります。
それだけ難しい判断であったということがわかります。
そして、具体的な状況にどのようなケースを想定するかで、受けるイメージもだいぶ違います。
いじわるな本妻、ずる賢い愛人、不良の愛人の子。安っぽいドラマのストーリーを想像すれば、様々な話が出来上がりそうです。

相容れない2つの正義において、どちらかの正義がより正しいか判断することだと言えるでしょう。
ですから、一般論となれば、どちらが正しいかは本来決めようがないのです。
法律家の中には、今回の判断を多数が支持していることから、司法は逆に少数者の権利を守るべきだったと考える人もいるようです。

 

わたしは、この法律はある種の「規制」だったのではないかと思います。

時代が変わり多様なケースが出てきた。もっと柔軟に対応しないといけないから、規制は撤廃する必要がありました。
規制緩和がされ、あとは個別のケースで判断するようにするしかありません。

未婚や不倫に対する「ペナルティ」のために必要だと考えるのはちょっと違う気がします。
遺産が半分にならなくなったから籍を入れないようにする、なんて考えるでしょうか?

時代の変化に合わせて規制が撤廃されるのであって、規制で変化を起こそうとするのは難しいと思います。
もし、婚外子が少子化問題に関係があるのであれば、今回の判断はスタートラインとして、空気が変わったことのお知らせになるだけのものではないでしょうか。

 

婚外子

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