第4回目の講義へ行ってきました。 講師は原英史氏で、テーマは「公務員制度改革と教育改革」でした。
私は、講義後のディスカッションで「学校外バウチャー制度」について、以下のように、意見発表させて頂きました。
大阪府西成区で塾や習い事など、学校外で使えるクーポンの支給が開始されました。(月1万円) 経済的理由で塾などに行くことができない子どもたちの学びの場が開ける意味で、大変素晴らしい取り組みだと思います。
ただ、無償で配布するよりも、有償にした方が価値あるものになると思います。 無償配布では民主党の子ども手当と変わらない、単なるバラマキになってしまう恐れがあるからです。
例えば、私が住んでいる杉並区では「子育て応援券」というクーポンがあります。 特徴は3つあります。
1、有償である(1万円分のクーポン3千円で購入可能) 2、購入できる金額に上限がある 3、毎年、購入できる金額が固定化していない
まず、有償であることに大きな意味があると思います。 ディスカウントされていても、一部が自己負担だと、使い道をよく考えるのが人間です。
習い事をさせようとする時、クーポンがあるからと、むりやり何かしようと選ぶより、まず、何がやりたいかを子どもとしっかり話し合うことができます。 ピアノを習いたいという事になれば、3千円か2千円で購入する。 子どもがあまり前向きではなかったら、時期が来るまで待つこともできる。
一律に無償でクーポンを支給したなら、「ただでもらったから使わないともったいない」と考え、無駄遣いになる可能性があります。 一部でも自己負担金があることで、無駄遣いを防ぐ効果があると思います。ですから、有償にして、必要な人が必要な分を買うシステムのほうが、より有効ではないでしょうか。 ただし、上限も必要です。 上限が無いと、一部の裕福な人が、より大きい補助を受けることになる可能性があります。
また、毎年の補助金額が固定していないことで、その年の自治体の状況により、可変的に対応できるという部分も大事です。補助金の枠を固定せず、前年の実績を参考に、柔軟な予算を組むことが可能です。
これらのことより、杉並区の方式は優れていると考えました。
塾や、クーポンを使用する施設が少ない地域がある場合は、地域の実情によって、学校の教室を開放し、塾講師を呼んで受験指導する方法もあるでしょう。
教育格差の議論が聞かれますが、教育の機会が親の収入によって左右されるなら、教育の機会の平等は保障されていないという事です。 塾や習い事などに使用出来るバウチャーを全国に広め、平等のチャンスがあるようにするべきだと考えます。
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