議会関連

青少年向けスマホおよびSNSに関するフィルタリング対策 ( 教育こども委員会質疑)

2019年12月5日、教育こども委員会で「子どもの携帯、スマートフォンへのフィルタリング対策について」質疑を行いました。
全国的に、子どもがSNSに関連して犯罪に巻き込まれる事件が多発しています。先月、大阪市内在住の小学6年生のが行方不明となり、6日後に栃木県で保護されるという事件がありました。こうした事件を少しでも減らすためには、最終的には子どもやその親のSNSなどネット利用に関するリテラシーを上げていくしか無いと思います。
しかし、有効な入り口対策のひとつとして「フィルタリング」の設定をすることが、低年齢からできる対策として有効な手段のひとつになると考えました。
警察庁の調べでは、SNS等に起因する事件の被害児童のうち、91.6%がフィルタリングの設定をしていませんでした。(出典:警察庁 広報資料 平成30年4月26日)
双方の動機がなくならない限りすべての事件をなくすことはできないとしても、SNSが不特定多数の大人と知り合う手段になっていることは事実でありますから、加害者側からの手段を遮断したり、低年齢から「必要のないサイト」にアクセスが可能である状況を改善することで、のちの被害にあうリスクを下げていくことは可能だと思います。

情報収集してわかったこと

NTTドコモ(フィルタリング対策担当者と面会)

大手キャリアのフィルタリング対策について確認するために、NTTドコモに連絡。東京にのみ詳しい担当者がいるとのことで、東京で面会することに。
目的は、回線によるフィルタリング対策の現状を知ること。実際に行われているより高度なフィルタリングの技術等があるのか、もしあれば将来的にどのようなことが出来るのか。また、大阪など地域限定で提供できるフィルタリングの活用法がないかなど、ヒアリングをさせていただきました。

フィルタリングに関しては、ドコモとして、いま可能な技術は最大限提供しているということ。さらに一定のサービスをエリア限定で提供することは難しい。ということがわかりました。回線によるフィルタリングに関して、現状以上の対策は望めそうにありません。
回線によるフィルタリングで遮断する有害サイト、いわゆるブラックリストへの登録は、どのような方法でなされているのか ⇒ 「ドコモなど3大キャリア会社自身では行なっていない。第三者であるフィルタリング事業者がやっている。サービスを提供する会社が、「どのサイトが有害であるか」などを選別することは好ましくないと考えているから。」とのことでした。
フィルタリング事業者での有害サイトの登録は、一部はAIを使っているようですが、どの学齢でブロッキングするかというカテゴライズの部分は、人間が手作業で行なっているとのことです。また、新しく出来たばかりの有害サイトを即ブロックすることは困難であるのが実情です。

法律では18歳未満が使用する場合、原則フィルタリングサービスへの加入が義務付けられています。店頭では、使用者の年齢を確認し、フィルタリングについて説明した上で設定することになっています。
大手キャリアでは、使用者が学生だと学割サービスがあるため、多くの保護者の方は子どもの年齢を申告されているそうですが、「MVNO(格安スマホ回線)」に関してはどこまで対策ができているかは未知数、とのことでした。

ドコモは、座間事件を受けて社内や有識者とも議論を重ねてこられた中の結論として、回線のフィルタリングは店頭でしっかり行いながら、個別のフィルタリングは保護者が設定するしかない。と現状では考えているようです。

MVNO事業者(電話で聞き取り)

UQ、BIGLOBE、ワイモバイル、楽天の4社に聞きました。
ある会社のA店舗では、店頭でのフィルタリング設定はしていない。契約から2日後にフィルタリング設定IDをメールで送るので、各自で設定して下さい。難しければ電話で遠隔対応するとの返答。同じ会社のB店舗では、当日店舗にて設定可能との返答。代理店によってバラツキがあるようです。

Google(コンタクトできず)

本社に問い合わせるも「社員と会った事がある人以外には取りつがない」とのこと。事情を説明してお願いしてみましたが「対応可能な場合のみ折り返す。連絡無い場合は対応不可。」とのことでした。連絡はありませんでした。

教育委員会

現状での取り組みをヒアリングしました。

①各校での情報モラル教育

大阪府警察本部とNTTドコモが連携した「インターネット安全利用教室実施案内」、文部科学省が作成した動画教材である「情報化社会の新たな問題を考えるための教材~安全なインターネットの使い方を考える~」や、「令和元年度スマホ安全出張講座」等を学校の実情に応じて活用できるよう周知してきた。

②アンケート

毎年年度末に実施している「携帯電話・スマートフォン等に関する本市アンケート」の結果を学校園に送付し、学校園に対して本市の子どもたちの現状についての認識を深めてきた。

③啓発チラシの配布

大阪府が作成した「フィルタリング啓発チラシ(小学6年向け)」を配付するなど、保護者に対してフィルタリングの設定についての啓発にも取り組んできた。


④OSAKAスマホサミット

大阪府の「大阪の子どもを守るネット対策事業」に参画。12月1日に開催された「OSAKAスマホサミット」では、本市の学校からも参加し、子どもたち自身がスマートフォンの使い方やルールについて考える機会としている。

私見

以上のお話から、講座や啓発チラシなどで一定の取り組みをしていることはわかりました。ただ、なんとなくやっているだけで、本気で伝えようとしているかという点では疑問が残りました。
配布しているチラシの内容もイメージ先行で、「SNS利用による青少年が関わるトラブルがある」「フィルタリングは設定したほうが良い」ということは理解できても、具体的にはどう対策したらいいのかわかりづらいチラシです。

具体的な手順や設定方法を盛り込んだ内容となるチラシを作成して配布する。目安となる設定基準を整備し、活用してもらうための説明会等を開催する。事業者に対しても出来るかぎりの有効なフィルタリングを整備してもらえるよう要請する。など、有効な仕組みとなるよう働きかけを行い、積極的な取り組みに持っていく必要があると感じました。

また、フィルタリングの啓発チラシは小学6年生を対象に配布したとのことです。
しかし、入り口の対策として意味をもたせるためにも、保育園、幼稚園など就学前児童の家庭について等、早めに啓発を行うことで、子どもの有害サイトの存在に対して認識を持ってもらい、アクセス対策の必要性を考えてもらうことが大切だと思います。就学前児童については、「こども青少年局」の管轄になりますので、「教育委員会」と「子ども青少年局」の連携の必要性も感じました。
フィルタリング対策については、このように低年齢からはじめて、設定率の向上の図るため、目安となる基準を整備した上で、幅広く、手厚く、継続的に啓発に取り組む必要があります。
ぜひしっかりしたものとして整備していただき、「大阪基準」として全国に波及するようになっていただきたいと思います。

今回は質疑まで数日しかなく、あまりたくさんの事業者にヒアリングができませんでした。Googleに話を聞けなかったことは残念ですし、Apple、マイクロソフトなどの事業者にもお話を聞けると、もしかすると何か新たな気づきがあった可能性があります。
今後も興味を持って課題に取り組んで行きたいです。

質疑詳細

Q1(海老沢由紀)
先月、市内の小学生が、行方不明となり、6日後に栃木県で保護されたという事件がありました。また、全国的にも児童生徒が、SNSに関連して犯罪に巻き込まれる事件が多発しています。
本市において、昨年度の児童生徒の携帯電話やスマートフォンの所有率は小学校6年生では70.2%、中学校2年生では、88.2%、高校2年生では98.3%となっていると聞いております。
これまでも教育委員会では、子どもたちへのメディアリテラシーの醸成や、フィルタリングを設定することの必要性を児童生徒への指導のみならず、保護者への啓蒙も行ってこられたと思います。
リテラシー教育は、当然必要なものですが、「フィルタリング」による対策を徹底することも、必要のないサイトなどに低学年のうちから接触してしまう可能性を低くする意味で重要だと考えます。
入り口の対策として一定の意味を持つと思われる「フィルタリング」を有効活用できるように、今後、どのように取り組んでいくのか、教育委員会として考えをお聞かせください。

A1(答弁:山本指導部首席指導主事)
年度当初には生活指導に関する通知を各学校園長行い、長期休業前にも生活指導についての通知を各学校園長あてに行っており、その通知においてインターネットをはじめとして情報機器によるトラブルや犯罪に巻き込まれる恐れについての内容も取り上げ、各校において指導を行うことを指示している。
委員ご指摘の通り、情報機器にまつわるトラブルや犯罪に巻き込まれる恐れについては、児童生徒への指導のみならず、それらの機器を与える保護者への啓発ついても重要である。
このことから、インターネットやスマートフォン等の安心安全な使い方やフィルタリング等の設定について、またネットを通じて知り合った人との交流の危険性等を児童生徒に対して指導を徹底し、合わせてこれらのことを保護者への周知を重点的に行うよう、今年度の冬休み前の通知内容に盛り込んだところである。警察庁の広報資料によるとSNS等の利用により、被害にあった児童生徒については、フィルタリングを行っていないことが多いと示されていることから、今後、フィルタリングの活用に向け、当該機能の有効性を含む保護者への啓発資料を作成し配付する。

Q2(海老沢由紀)
各校での指導や資料の配布などによる啓蒙については、内閣府の調査では、実際に啓発や学習を受けた機会として質問した場合に、保護者は「学校や保育園・幼稚園等の保護者会やPTAの会合」と答えた方が71.5%、「配布された啓発資料」と答えた方が52%と多くなっていますので一定の効果が認められると考えます。
ただ、啓発や学習を受ける機会があり、フィルタリングの知識を得たとしても、実際にフィルタリングを有効活用している保護者の割合が少ないのが実情です。
本市で児童生徒に行った調査においても、スマートフォンにフィルタリングを設定している割合が、小学校6年生で41.8%、中学校2年生で42.5%、高校2年生で42.6%という結果と聞いています。
この低い対策率を改善するために、一歩進んだ具体的な取り組みが必要だと考えますが、どのような対策を考えておられますか?

A2(答弁:山本指導部首席指導主事)
委員ご指摘の通り、本市においても、フィルタリングについての普及は進んでいるとは言えない状況である。
教育委員会としては、これまでも本市教育委員会のホームページで子育て家庭を応援する「親力アップサイト」を立ち上げ、様々な子育てに関する情報を掲載しており、「携帯電話やスマートフォンの上手な使い方」について取り上げるなど啓発を行ってきた。
また、大阪市PTA協議会においても、各種団体や関係機関と連携し、スマホに関する保護者への啓発を進めていただいているところである。
引き続き、教育委員会・学校・PTAが連携し、携帯電話やスマートフォンに関する最新の状況をふまえ、保護者に対して適切な啓発を図ってまいる。
この間も、教育委員会では児童生徒を対象に「パソコンや携帯電話・スマートフォン等に関するアンケート」を実施してきたが、今年度のアンケート調査では、その質問項目について点検を行い、より実態が把握できるものとなるように改善を図ってまいる。
加えて本アンケート調査結果を検証し、課題を明確にし、本市・大阪府・大阪府警察本部・通信事業者等が連携している「大阪の子どもを守るネット対策事業」の場において、把握した課題について提起し、その改善策について検討を行ってまいる。

要望(海老沢由紀)
アンケートとっていただけるということなので、正確な実態を把握して、課題改善に向け、つぎにつながるようにしていただけばと思います。またやりとりさせて下さい。

【当方作成資料を配付する】

教育委員会として、学校・保護者との連携や、関係機関や関係団体との連携を進め啓発を行うとのことですが、保護者にとっては、フィルタリングの設定が必要なことが分かっていても、どのように設定したらよいのかわからない、また、実際に子どもたちが使っているアプリ等に年齢制限があっても、正確な情報をキャッチできていない現状があると思います。
いま配布した資料は、イメージとして作成しただけですので、参考程度に見ていただければと思います。
フローチャート方式で、具体的な流れがわかるようになっています。
また、子供たちがよく使うアプリの年齢制限も記載しています。ツイッター、TikTok、インスタグラムは13歳以上、ユーチューブは20歳以上です。
運営会社が年齢によって利用を制限しているということは、その年齢に達していなければリスクがあると判断しているということです。
また、法律で「携帯事業者には使用者の年齢の確認、フィルタリングについて説明し設定することが義務づけられている」ということも、しっかりお伝えし、保護者の方に、フィルタリング設定へのアクションを起こすきっかけ、子供達とスマホの使い方について話す機会になればと思います。

ぜひ、本市としては、フィルタリングについての具体的な手順や設定方法を盛り込んだ内容となるチラシを作成して配布する。そして、活用してもらうための説明会等を開催する。事業者に対しても、出来るかぎりの有効なフィルタリングを整備してもらえるよう要請するなど、有効な仕組みとなるよう働きかけを行い、積極的な取り組みをしていただくようお願いしておきます。

こども青少年局へ追加質問
Q(海老沢由紀)
このフィルタリング対策については、就学前の児童の保護者に対して、早めの啓発をおこなうことが重要だと考えています。
そのために保育園や幼稚園などでも周知、啓発を行っていく必要があるので、啓発チラシの配布などご協力いただけるか。子ども青少年局としてのお考えはいかがでしょうか。

A(稲木理事)
こども青少年局としても子供を取り巻く安全安心な環境作りは重要であると認識している。フィルタリング機能の利用推進にあたり、保護者の方々が早期に認識をもってもらえるよう、保育所などにおける周知、啓発について教育委員会事務局とも協力して対応したいと思う。

まとめ(海老沢由紀)
教育委員会と子ども青少年局と、ともに協力をしていただいて、先ほど教育委員会からもお答えいただいた取り組みによって、大阪市でのフィルタリングの設定率が向上し、それによって子供達がSNS関連で犯罪に巻き込まれる事件が少なくなる等の成果が上がれば、「大阪基準」として全国に波及することになるわけです。全国的に少しでも事件を少なくしていくために、期待をしていますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。

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