議会関連

決算特別委員会「IR」に関する質疑

IR

大阪は、2025大阪・関西万博の会場になる人工島•夢洲に、統合型リゾート(IR)の誘致を目指してきました。今年9月に大阪のパートナーとして、「MGM・オリックスコンソーシアム」が事業者として選定され、2028年に開業される予定です。
決算特別委員会では、事業者選定の概要、MICEやエンターテイメント施設などの基本的な項目と、サスティナブルなIRを実現するために必要なESG(「環境(Environment)」「社会(Social)」「企業統治(Governance)」)について、どのような取組みを考えているのかなど多岐にわたって質疑致しました。

ESGの取り組みを重視することで、環境・社会に優しく、そして透明性のある経営状態となり、企業全体のブランド力の向上が期待できます。結果的に集客につながり、投資家へアピールすることで、持続可能なIR経営につながることと考えます。
近年、投資家の脱炭素志向が強まり、脱炭素に積極的に取り組んでいない企業には、投資が行われなくなり、また国際社会においてはペナルティを課される可能性もあります。そして、その変革へのスピードは日本が想定しているよりずっと早いものになり、このままでは世界に取り残されていく可能性があります。IRが実際に稼働する頃には、現状からは想像がつかないほどの要求が世界からなされているかもしれません。
2025年大阪•関西万博の後、2028年にIRが開業される予定ですが、脱炭素・循環型社会の実現やSDGs達成に貢献できる世界で最もサステイナブルなIRを実現することが、大阪・関西の成長には欠かす事のできない要素になっていることと思います。万博やIRを契機に、日本全体の成長を促していきたいという思いで質疑致しました。

①IR事業者に選定について
②事業を安定的・継続的に実施する体制と財務力の強さの担保について
③MICE施設について
④エンターテイメント施設について
⑤IR立地による経済効果の波及について
⑥SDGS達成に貢献する環境先進都市の実現に向けた施設の建築について
⑦ESGの取り組みについて

以下のリンクから録画をご覧になれます。(14分38秒〜32分です)
大阪市会録画配信(2021.11.8)

IR

<全文>

①IR事業者に選定について(海老沢由紀)
はじめに、IRについて質問させていただきます。
私どもの会派は、これまで、大阪の成長に向けてIRの誘致をめざして参りました。本年7月に事業者から提案審査書類の提出があり、選定委員会の審査などを経て、9月に、大阪のパートナーとして、MGM・オリックスコンソーシアムが選定されました。
今回、応募者は1社でしたが、魅力あふれるIRの実現や世界のIRとの国際競争なども見据え、1社であっても厳正に選定を行うことは当然であると考えます。
事業者の選定にあたって、選定基準等は募集要項等に示されていますが、具体的にどのような視点に基づき選定を行ったのか伺います。

【答弁】(IR推進局 那須推進課長)
事業者からの提案書提出を受け、まず「基礎審査」として、府・市において、提案内容が募集要項等に定める事業条件等に充足しているかどうかを確認した。
その後、専門的見地からの意見を参考にするため設置した、有識者等からなるIR事業者選定委員会において、客観的な立場から書面審査・プレゼンテーション審査を行った。
選定委員会での審査においては、「コンセプト」「実施体制・財務力」のほか、MICE施設の評価を含んだ「国際観光拠点の創出」、地域社会・経済への貢献等を含む「基盤づくりと地域への貢献」ギャンブル依存症や治安・地域風俗環境対策等の評価を含む「懸念事項対策等の着実な実施等」の5つの大項目で評価を行い、大項目ごとの点数が配点の5割、全ての合計点数が配点の6割を満たさない場合は失格としている。
このように、応募者の数に関わらず、厳正・厳格に審査を行い、大項目ごとの点数が配点の5割を満たし、かつ全体で8割近い合計点を得たMGM・オリックスコンソーシアムを設置運営事業予定者として選定したところである。

②事業を安定的・継続的に実施する体制と財務力の強さの担保について(海老沢由紀)
提案内容の審査にあたっては、第三者機関である選定委員会において、専門的見地から厳正・厳格な審査が行われ、高い評価を得たとのことですが、その中で、もう1点確認しておきたいのが、IRは長期にわたり安定的・継続的な事業を実施していくものです。
そのため、事業者は本事業を確実に遂行するための財務力や事業効果を実現できる盤石な体制を有しているのかが、重要になってきますが、この点に関する選定委員会からの評価について伺います。

【答弁】(IR推進局 那須推進課長)
事業遂行の実施体制・財務力の強さについて、選定委員会からは8割を超える採点を得ており、事業運営能力や事業の継続性・安定性等が非常に高く評価されたものと認識している。
事業者の財務体力については、金融機関からのコミットメントレターを含む根拠資料や金融機関との間で綿密な融資協議が進んでいることを踏まえ、資金調達の確実性が担保されているとの評価をいただいている。
また、MGMについては、新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延により影響は受けたものの、固定費削減や資産売却によって高い流動比率を維持しており、また業績は回復傾向にあるなど、十分な財務健全性を有しているとの評価を得ている。
加えて、事業主体としては、事業を全体統括・推進するMGM及びオリックスに加え、関西企業から成る、グローバルかつ大阪・関西に根差したコンソーシアムとなっており、将来にわたり確実かつ安定して事業を遂行できる実施体制とされている。

③MICE施設について(海老沢由紀)
現時点では、まだ新型コロナウイルス感染症の世界的な収束状況がはっきりと見通せる状況でありませんが、IR事業を確実に安定して遂行できるとの評価であり、安心致しました。
次に、提案の内容に関して、何点か確認させていただきます。
IRの立地により、大きな集客効果や経済波及効果が期待されるところですが、そのためには、MICE施設やエンターテインメント施設の役割が重要となってきます。
MICE施設のうち、展示施設については段階的な整備を認め、開業時は
2万平方メートルの提案となっていますが、この規模であっても競争力のある魅力あふれるMICEが実現できるのか伺います。

【答弁】(IR推進局 那須推進課長)
開業時において、2万㎡の展示等施設が整備されることとなるが、これは国の分析において、約9割の展示会に対応できる規模となっている。
また、合わせて、最大収容人員6,000人以上となる国内最大規模の国際会議場が整備され、さらには、宿泊施設やエンターテインメント施設、商業施設等が一体的に配置されたオールインワンMICE拠点が形成されることから、国際会議や展示会が一体となった催事や、企業等のインセンティブツアー等、これまでになかった新たな需要の獲得が期待される。
一方で、MICEを取り巻く環境は大きく変化しようとしており、今後のMICEビジネスモデルや新しい生活様式がどのように変化・進展していくかなどを見極めながら、柔軟に対応していくことが必要である。
大阪府・市としては、開業時には国基準のIRとしてスタートさせたうえ、段階的に拡張整備を進めることで、ニーズに応じて常に時代の最先端となる施設・機能、サービスを提供する、競争力が確保された最先端MICEを夢洲で実現していく。

④エンターテイメント施設について(海老沢由紀)
感染症の影響を踏まえて柔軟に対応していくことは非常に重要であり、今後、MICEの動向を的確に捉え、時代に応じた最先端のMICE施設が夢洲(ゆめしま)に実現できることを期待しています。
次に、エンターテイメント施設についてですが、以前にラスベガスを視察した際にも、カジノと直接関係なく、夫婦やファミリーをはじめ、多くの人がエンターテイメントあふれるまちを楽しんでいらっしゃいました。
大阪・夢洲でも、国内外からあらゆる人々に、何度でもお越しいただくためには、魅力的なエンターテイメントの提供が必要不可欠であると考えますが、IRでは具体的にどのような提案があったのか伺います。

【答弁】(IR推進局 那須推進課長)
今般、事業者から、世界有数のエンターテイメント拠点の形成に向けた、魅力あふれる提案をいただいたところ。
具体的には、コンサートやスポーツイベント等も開催可能な展示ホールや、世界水準のショーやパフォーマンス等を楽しめる夢洲シアターのほか、華道・茶道・香道といった3つの芸道を体験できる「三道体験スタジオ」や
大阪・関西の食文化を体験できる「ジャパンフードパビリオン」、文化・芸術の魅力を発信する「関西アート&カルチャーミュージアム」などの提案があり、ビジネス客からファミリー層まで、世界中から新たに多くの人を呼び込むことができるIRになるものと考えている。
また、施設の修繕・建替え、コンテンツの更新・追加など、カジノ収益を活用した再投資により、継続的に施設の魅力向上を図り、投資と来場者数増の好循環を形成し、「成長型IR」として持続的な発展をめざしていく。

⑤IR立地による経済効果の波及について(海老沢由紀)
今回の提案では、初期投資として1兆円規模の大きな投資が見込まれていますが、大阪経済の成長に向けては、一時的な効果だけでなく、継続的に効果を生み出していくことが重要です。
また、IR立地による経済効果を夢洲だけに留めるのではなく、大阪市内や府内、関西へと広く波及させていくことも考えていかねばなりません。IRによる経済効果を最大化できるよう、具体的な方策についてどのように考えているのか伺います。

【答弁】(IR推進局 那須推進課長)
大阪IRでは、IR区域整備の目標の一つとして、大阪IRへの来訪者を大阪府域や関西・西日本・日本各地に送り出し、IR立地に伴う集客効果を各地に相乗的に波及させることとしている。
そのため、VR等の先進技術を活用したショーケース機能や、専門人材やAIテクノロジー等を活用したコンシェルジュ機能、大阪最大級のバスターミナルや海上の新しい交通機能の整備などにより、大阪・関西・日本全国の観光地への送客を実現することとしている。
また、大阪・関西の持続的な成長に向けて、地域経済の振興及び地域社会の貢献に向けた積極的な取組みを事業者に求めたところであり、事業者からは大阪におけるIR区域とIR区域外との相互送客等に関する提案が行われたところである。
今後、IR立地の効果を地域へ波及できるよう調整を行い、具体的な取組内容について、区域整備計画に盛り込むことができるよう、検討を進めていく。

⑥SDGS達成に貢献する環境先進都市の実現に向けた施設の建築について(海老沢由紀)
IRには、これまで質疑のあった国内最大規模の国際会議場や宿泊施設、魅力増進施設、エンターテインメント施設、商業施設等、多くの施設が建設されることになります。
「大阪市環境基本計画」では、「低炭素社会の構築」「循環型社会の形成」「快適な都市環境の確保」に取り組み、「地球環境への貢献」を果たすことによって、本計画のビジョンである「SDGS達成に貢献する環境先進都市」の実現をめざすとされています。
また、国のエネルギー基本計画においては「建築物については、2030年までに新築建築物の平均で、ネット•ゼロ•エネルギー•ビル(ZEB)の実現をめざす」としていますが、IRの建築物について、どのように環境に配慮した計画になっているのかうかがいます。

【答弁】(IR推進局 那須推進課長)
事業者公募においては、IR施設の建設にあたり、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」をはじめとする関係法令を遵守するとともに、「大阪市環境基本計画」等の関係する上位計画を踏まえることとしている。
また、安定的・持続的な事業の実施に向けて、再生可能エネルギーの利用などエネルギーシステムの構築によるエネルギーマネジメントや、持続可能性のある建築物を整備し、環境に配慮したまちづくりを行うことなどを求めた。
事業者からは、エネルギーセンターの設置により、IR全体へのエネルギー供給状況の管理・中期的なエネルギー消費の最適化を図るとともに、再生可能エネルギーの活用や地産地消のエネルギー供給をめざす提案があったところ。
今後、具体的な取組内容については、区域整備計画でお示ししていくが、
先端技術の活用による、安全安心で持続可能性の高いスマートなまちづくりに向けて、事業者と連携しながら、取組みを進めていく。

⑦ESGの取り組みについて(海老沢由紀)
エネルギーセンターの設置は、敷地内のエネルギー需要を可視化し、需要抑制を図るなど、各施設のエネルギーの最適運転を実現することで、省エネ、CO2削減に効果があると考えます。
一方、ZEBは建物自体で、大幅な省エネと自らエネルギーを創り出すことで、消費するエネルギー収支を実質ゼロにすることを目指す建築物です。
光熱費の削減、災害時の事業継続や室内の環境維持、IRで働く人々への省エネ意識の啓発、ブランド力の向上など、IR経営に様々な効果をもたらし、地球温暖化防止にも貢献することができます。

現在、イギリスでCOP26が開催されています。この会議の中で、2022年6月を目処に、気候変動リスクの情報開示の世界共通基準をつくると発表がありました。(IFRS財団:国際会計基準(IFRS)の策定を担う民間の非営利組織)この基準に対応するためには、企業は3つの排出量の開示を求められることになります。
ひとつめは①自社の直接的な排出量、二つ目は②他社から購入した電力を通じた排出量、3つ目は③部品調達など取引先全体の排出量、の3点です。

投資家の脱炭素志向が強まり、脱炭素に積極的に取り組んでいない企業には、投資が行われなくなり、また国際社会においてはペナルティを課される可能性もあります。そして、その変革へのスピードは日本が想定しているよりずっと早いものになり、このままでは世界に取り残されていく可能性があります。IRが実際に稼働する頃には、現状からは想像がつかないほどの要求が世界からなされているかもしれません。
ZEB化は公募条件ではなかったことは承知していますが、今後、先回りして対策をとる必要があるのではないかと思います。
環境に配慮した計画について確認しましたが、企業が持続的な成長をめざすためには「環境(Environment)」に加え、「社会(Social)」「企業統治(Governance)」の3つの観点が必要です。
この3つの頭文字からESGと呼んでおり、近年、ESGに配慮した取組みは企業への投資にあたって重要な要素となっていますが、事業者は、このESGについて、どのような取組みを考えているのかうかがいます。

【答弁】(IR推進局 那須推進課長)
今回の公募では、ESGに関係すると考えられる提案としては、先程答弁した「環境」への取組みのほか、地元産品の調達や地域資源の発掘等の地域経済の振興・地域社会への貢献、ワーク・ライフ・バランスなどの労働環境や多様な人材の活躍に向けた取り組みの提案があったところである。
また、事業予定者において、独立した諮問機関としてのコンプライアンス委員会の設置が予定されるなど、MGMの既存IR事業での知見も活かしたコンプライアンスや廉潔性確保のための十分な体制・取組みの提案があったところである。

<意見・要望>(海老沢由紀)
ESGの取り組みを重視することで、環境・社会に優しく、そして透明性のある経営状態となり、企業全体のブランド力が向上することと思います。結果的に集客につながり、投資家へのアピールにもなり持続可能なIR経営につながることと考えます。
脱炭素・循環型社会の実現やSDGs達成に貢献できる世界で最もサステイナブルなIRを実現するために、事業者としっかり連携をとり、将来へのビジョンを持って、進めていただくようお願いしておきます。

☆質疑の模様は、youtube「大阪市会録画放映チャンネル」 でもご覧になれます。

(注)下の動画は、セキュリティの問題で、再生ボタンをクリックすると出てくるリンクからyoutubeのチャンネルに飛びます。

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