議会関連

公営・準公営企業会計決算特別委員会で質疑

2019年10月11日、公営・準公営企業会計決算特別委員会で質疑を行いました。

港営事業会計の決算は、包括外部監査の指摘を受けて決算の姿が大きく変わりました。特に「会計内取引の消去」は、これまでの「港湾施設提供事業」と「大阪港埋立事業」の2つの事業の経営成績の合算であった港営事業会計の決算の考え方を大きく変更するものとなっています。
「平成30年度大阪市準公営企業 決算説明資料」に記載されている事業別の決算結果は会計内取引を消去した数値ですが、会計内取引を消去する前の金額も記載されており、港営事業会計の経営収支が二通り存在することが、誰がみてもわかりやすい記載にはなっておらず、市民に説明責任を果たすという観点からは、課題があると感じています。
包括外部監査の指摘内容のうち、港営事業会計の決算に直接関連して指摘された内容と、その対応、および決算への影響について確認をすることも議会の重要な役割と考え、質問させて頂きました。

質疑詳細

港営事業会計決算における包括外部監査の影響について

Q1(海老沢由紀)
港営事業会計の決算について質問させて頂きます。
港営事業会計の決算の説明を受ける中で「平成30年度包括外部監査の指摘を踏まえ」という説明箇所がいくつかありました。包括外部監査を受け、これまでの決算の姿が変更されています。会計の決算内容の説明は、市民や議会への説明責任を果たすツールとして大変重要なものであると考えております。その姿がどのように変更することになったのかを確認するのも、議会の重要な役割だと考えています。そこで、まず包括外部監査の指摘内容のうち、港営事業会計の決算に直接関連して指摘された内容と、その対応、および決算への影響についてお聞きかせ下さい。

A1(港湾局川井田経営改革課長)
決算に直接関連した指摘は5点であり、1点目は、大阪港埋立事業から港湾施設提供事業への土地移管により生じた未収金と未払金について、貸借対照表上相殺するよう求められたものである。
2点目は、大阪港埋立事業から港湾施設提供事業への土地移管から生じた利益について決算書上相殺するよう求められたものである。
3点目は、賃貸収益と賃貸費用の計上区分が不整合であるため、同一区分に表示するよう求められたものである。
4点目は、港湾施設提供事業について、固定資産の減損会計を適用する際の資産のグルーピングを再度検討することを求められたものである。
5点目は、港営事業会計の貸倒引当金算定の基礎である対象債権の定義付けの再検討及び正確な根拠資料の保存を求められたものである。
こういった指摘に対し対応した内容であるが、
1点目及び2点目の指摘に基づき、会計内取引である事業間の土地売買及び土地賃貸借を消去した。
3点目の指摘に基づき、営業外収益の一部を営業収益に移し替え、結果として営業損益が好転した。
4点目の指摘に基づき、より詳細なグルーピングに区分したことにより、資産によっては減損損失が認識されたため、特別損失に計上した。
5点目の指摘に基づき、短期貸付金等についても貸倒引当金の査定の対象として検証したが、決算への影響はなかった。

Q2
今、説明のあった項目の中で、1点目と2点目の指摘を踏まえ対応することになった「会計内取引の消去」は、これまでの「港湾施設提供事業」と「大阪港うめたて事業」の2つの事業の経営成績の合算であった港営事業会計の決算の考え方を、大きく変更するものであると考えております。港営事業会計の決算に影響した会計内取引の内容と、その額について、お聞かせ下さい。

A2
決算上消去した港湾施設提供事業と大阪港埋立事業との会計内取引の内容とその影響額であるが、港湾施設提供事業では、ふ頭用地の一部について大阪港埋立事業から土地を借り受け運営しており、その賃借料約22億円を費用から消去した。大阪港埋立事業においても、さきほど申しあげた港湾施設提供事業からの賃貸料約22億円を収益から消去している。また、大阪港埋立事業において、大阪港埋立事業から港湾施設提供事業への土地移管により生じた利益約3億円を収益から消去しており、過去に生じた利益約9億円は特別損失として計上している。

Q3
今の答弁にありました事業間の土地の賃貸借は、両事業ともに必要な取引であり、事業の経営成績を説明するうえでは、その取引を加味しなければならないものと考えます。しかし、本委員会に配付された「平成30年度大阪市準公営企業 決算説明資料」に記載されている事業別の決算結果は会計内取引を消去した数値であり、港営事業会計の経営収支が二通り存在することが市民や議会に対する説明責任を果たすという観点からは、課題があると思います。
そこで、「決算説明資料」にある各事業の当年度損益が、会計内取引を消去する前の数値とどれほどの違いがあるのか、確認させてください。

A3
まず、港湾施設提供事業について申し上げる、「平成30年度大阪市準公営企業決算説明資料」に記載されている「当年度損益」は、約24億3,000万円の黒字であるが、会計内取引を消去する前では「当年度損益」は、約2億4,000万円の黒字となる。大阪港埋立事業については、「決算説明資料」に記載されている「当年度損益」は、約7億9,000万円の赤字であるが、会計内取引を消去する前では「当年度損益」は、約26億7,000万円の黒字に転換する。

Q4
会計内取引を消去する前に置き換えると、大阪港埋立事業においては、赤字から黒字に変わるなど、会計内取引を消去することによる各事業の決算結果への影響が大きいことが確認できました。外部監査人はどのような課題認識をもって、この点を指摘されていたのか、お聞かせください。

A4
包括外部監査結果報告書によると、「現状では、貸借対照表上、資産及び負債がいずれも過大計上されており、適正な財政規模をあらわしていないため、相殺しなければならない」「埋立事業において土地売却収益が内部利益分だけ過大に計上されており、施設提供事業においても、土地が過大計上されているため、決算書上、相殺しなければならない」と指摘理由を明記されている。このような課題認識から、当該指摘をされたものであると認識している。

Q5
外部監査人の課題認識はわかりました。外部監査人からの指摘がある中、過日の港湾局長からの決算概要説明においても、事業別の当年度損益については、会計内取引を消去する前の金額も合わせて説明されていましたが、その意図をお聞きかせください。

A5
各事業の経営成績を正しく説明しようとするものである包括外部監査の指摘を受け、港営事業会計の決算の姿を整えたが、各事業の経営成績をあらわすには、事業を存続するために必要不可欠な取引を除くことはできないことから、会計内取引を消去する前の金額で説明を申し上げたものである。

Q6
従来どおりの事業別の経営成績に触れられた意図も理解できました。ただ、この点については、監査内容と港湾局の見解が異なっていますが、今回の指摘を受けるにあたり、外部監査人と意見交換をされたのならば、どのような内容だったのかお聞かせください。

A6
これまで、港営事業会計は、港湾施設提供事業と大阪港埋立事業に区分して経理してきており、この区分に基づき、事業別の経営成績を公表してきた。港湾局としては、今回の指摘事項である「会計内取引の相殺に対応した場合、正しい事業別の経営成績が表現出来ないため、説明責任が果たせなくなる。」といった意見を幾度も外部監査人に主張してきた。しかしながら、外部監査人は「貸借対照表上、適正な財政規模をあらわしていない。」「損益計算書上、収益・費用が過大に計上されている。」との趣旨に基づき、本件の指摘に至ったものである。

Q7
港湾局が説明責任を果たすため、外部監査人に主張されてきたことは理解出来ますが、「平成30年度大阪市準公営決算 説明資料」では事業別の経営成績を読みとることは難しいと思います。
このままでは、結果的に説明責任を果たしていないことにならないでしょうか。この状況に関して、港湾局としてどのように対処して、市民への説明責任を果たしていこうと考えているのか、お聞きかせください。

A7
港湾局ではこれまで、港営事業会計の決算概要を市会への報告に合わせ、ホームページ上で公表しており、その公表内容の中では、事業別の経営成績についても表記している。今般、平成30年度決算概要を公表するにあたり、各事業の経営成績を正しく公表するため、会計内取引の内容を明示し、これまでの経営成績と整合する会計内取引を消去する前の収支結果を表記し、平成29年度決算と比較できるように取り組んだ。各事業の経営成績を検証し、その結果について説明責任を果たすことは、私どもにとって重大な責務であると認識しており、今後とも各事業の経営成績を正しくあらわす経営収支を公表していきたいと考えている。

要望(海老沢)
各事業の経営成績を検証し、その結果について説明責任を果たすための工夫をされていることは理解できました。しかしながら、大阪市が公表する港営事業会計の経営収支が二通り存在することが市民の理解を得られるのか?と疑問に思います。現在の状態はいずれ解消していくことを考えるべきではないでしょうか。港営事業会計を事業毎に分離し、港湾施設提供事業と大阪港埋立事業、それぞれの会計を設置することがよいのか、それとも現行のように、外部監査人の指摘どおり会計内取引の消去をした上で2つの事業の経営成績を公表・説明していく方法がよいのか、どちらが、より市民に説明責任が果たせる会計方法なのか、検討を続けていかれることを要望しまして、港営事業会計の決算概要に関する質疑を終わります。ありがとうございました。

雨水対策整備率についての質疑

Q1(海老沢)
続きまして浸水対策について質問させていただきます。
先日、大阪市の浸水対策の整備状況として、先の決算報告で雨水対策整備率が80.1%との報告がありました。これまで浸水対策に取り組んできているとのことですが、改めて、どのように取り組まれているのか、また、雨水対策整備率は、何を表しているのか、合わせて、お聞かせください。

A1(阿部下水道部事業計画担当課長)
本市では、昭和50年代に発生した大規模な浸水被害を受けて、昭和56年に、概ね10年に1度の確率で発生する1時間あたり60ミリメートルの大雨を対象とした抜本的な浸水対策事業に着手しました。
この事業は、主要な下水道幹線55路線でおよそ156キロメートル、また、総ポンプ排水能力が毎秒770立方メートルの24か所のポンプ施設を整備するものであり、例えば、現在整備中の此花下水処理場のポンプ場や淀川区の大隅十八条下水道幹線がこれにあたるものです。
また、雨水対策整備率については、この抜本的な浸水対策事業で整備している大規模な下水道幹線やポンプ施設の整備の進み具合を示す指標で、施設が完成すれば、この整備率も上がることとなります。

Q2
雨水対策整備率は、大規模な下水管やポンプ施設の整備量を表す指標で、現時点で80.1%整備ができていることがわかりました。一方で、先日の建設港湾委員会の質疑で、マンホールポンプという小規模の浸水対策施設のことが取り上げられていましたが、抜本的な浸水対策と小規模の浸水対策の違いをお聞かせください。

A2
抜本的な浸水対策は、本市の急速な都市化の進展による舗装面などの増加により、雨水が地中に浸透しにくくなったことから、下水道への雨水の流入量が増大してきたため、下水道計画を見直し、対象となる地域全体を計画降雨である1時間当たり60ミリメートルの大雨に対応させることを目的として整備しています。
一方、マンホールポンプや貯留池のような小規模な浸水対策施設は、くぼ地のような局所的に周辺より低くなっている場所や坂の下のように、降った雨がその地区に集中することで浸水するような地区に対して、抜本的な浸水対策を補完する施設として整備しているものです。

Q3
抜本的な浸水対策や小規模な浸水対策など、ハード面の対策も大切でありますが、集中豪雨など短時間に強い雨が降った場合には、局地的に浸水被害が発生する場合もあります。まさに、明日からの3連休、非常に大きな台風19号が東日本に上陸するという報道があり、本州の広い範囲での影響も予想されています。市民に浸水に対する意識を持ってもらい、自助共助により浸水被害を軽減することも大切であると思います。そこで、大雨への対応について市民に意識してもらうため、どのような取り組みを行っているのかお聞かせください。

A3
本市では、普段の生活の中での浸水に対する防災の意識づけとして、「大雨に備えて」というポスターを区役所に掲示しており、その中では、雨水の下水道への入り口であるマスを植木鉢などでふさいだり、ごみや砂をはきこまないようにであるとか、大雨時には洗濯をしない、お風呂の水を流さないなど、多くの水が下水道へ流れ込むのを避けるよう努めて頂くことをお願いしています。
また、浸水に対する土のう積みの準備といった自助共助の行動の一助としていただくため、ホームページによるリアルタイムの雨雲の情報を提供するとともに、各戸配布されている防災マップの活用をしています。
また、土のうの貸出しのほか、雨水貯留タンクを設置していただく方に購入費用の一部助成も行っており、市民にご活用いただいているところです。

Q4
浸水対策は、自助共助の取組みも大切なので、ぜひ、市民に効果的で有用なPRや情報発信に取り組んでいって頂きたいと思います。
先の答弁にあったように、雨水対策整備率は、抜本的な浸水対策の整備のみを表しているとのことでありますが、
大規模な浸水対策だけを評価する雨水対策整備率では市民への説明責任を十分果たしているとは言えないのではないでしょうか。
そこで、抜本的な浸水対策に加え、局所的に実施しているような対策など、現在の浸水対策の実態をできるだけ反映させた、より分かりやすい指標を検討できないか、お聞かせください。

A4
委員ご指摘のとおり、現在の雨水対策整備率には、マンホールポンプなど局所的に取り組む対策などは反映できておりません。
そこで、マンホールポンプのような局所的な対策として整備した小規模な浸水対策施設に加え、下水道事業で整備した施設以外の公園や民間開発などで整備した流出抑制や貯留施設といった様々な取組みを総合的に評価し、まちの雨に対する安全性を表すことができるような指標について検討してまいります。

要望(海老沢)
浸水対策は、市民の安全安心はもとより、都市活動を支える大切な事業であります。だからこそ、事業の効果をより正確に市民に伝えることが重要であると考えています。本日の質疑を踏まえ、今後の浸水対策の目指す指標として速やかに検討して頂くよう求めておきます。
抜本的な浸水対策は「1時間あたり60ミリメートルの大雨に対応することを目的としている」とのことで、建設局からは、1911年からの39年間と最近の30年間の雨のデータを統計処理した「10年に一度の雨の強さ」を見せてもらうと、60ミリメートルを少し下回る数字でありました。具体的には1911年から1949年の39年間は1時間あたり52.7ミリメートル。1988年から2017年の30年間は1時間あたり58.7ミリメートルでした。この52.7と58.7の二つの数字だけをみると昔と比べ増えてきているようにも見えます。
市民の皆さんも感覚的にそう感じていると思うんです。確実に増えているとするならば、30年間の統計処理数値を変数とする重回帰分析で最大雨量が60ミリメートルを超える年代が割り出せてくると思います。分析の結果、超えることがないかもしれませんが、将来的に、地球温暖化など気候変動による降水量の増加や局地的な豪雨の発生回数が増えていく可能性もいわれておりますので、今後、調べていただくことは重要な意味があると思います。
市民の命に関わることですので、しっかり取り組んでいただくようお願いして私の質疑は終わります。

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