2019年8月26日、25回目の大都市制度協議会(法定協議会)が開催されました。
「特別区設置における経済効果」について、調査を受託した嘉悦学園の研究者からの説明と質疑応答が行われました。法定協で経済効果について議論されるのは初めてのことです。
嘉悦学園の真鍋雅史教授(嘉悦大付属経営経済研究所長)から、「10年で最大1兆1千億円強の歳出削減が可能で、特別区移行のコストを上回る効果が期待される」と説明がありました。
ポイント
(1)行政の効率化で10年間で約1兆1,000億円を超える効果の発現する。(2)マクロ経済効果は10年で約5000億~1兆円程度上昇する。
(3)二重行政の解消で、政策実現可能性が高まり、意思決定スピードが速まる効果が期待でき、約4800億円の経済効果がある。
これらの報告を受けて、自民党市議団からは、効果額算出にあたって使用された予算値について、大阪市の実績値(予算額)と他都市の実績値(決算額)との比較となっており、比較ベースが異なっていると反論がありました。また大阪市の実績値の算定にあたって、府に移管される事務も含まれており、特別区側の事務ではなく、効果額として算入されているのは恣意的だとして、報告書は本協議会で受け入れるものではないと批判がありました。
算出に使用した大阪市の平成28年の予算値については、平成28年度の予算値と決算値にはおおきな乖離があったため、例年の決算値に近かった予算値を使用したものです。事務に関する算出については、そもそも府に移管される事務(大学、病院、消防、下水など)は厳密な線引きが困難であるため、今回の報告書については一切の恣意性を排除した、一般的な算出方法であるといえます。
次回の法定協議会は9/12日開催の予定です。