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みんなの党の分裂は選挙制度のせい?

渡辺喜美

みんなの党がいよいよ(やっと?)分裂しました。

 

分裂の要因になった渡辺喜美代表と江田憲司前幹事長との確執は、党を解体して新党をつくるのか、連立して行くのかで見解がわかれたことが大きいとされています。
渡辺代表は、みんなの党の政党維持にこだわり、昨年の維新の会との合併にも抵抗を示しました。

このことは、中途半端な衆議院の選挙制度、小選挙区比例代表並立制に関係があると思います。
比例代表制があるために、小政党になっても、政党の幹部は自身の議席や一定数の議席維持が可能になります。

渡辺代表の連立志向は、二大政党制に逆行した方向です。
小政党も生き残る、そういう議会にしたいなら、比例代表だけにする方が良いでしょう。

自民党に対抗できる政党を作って、有権者に選挙ごとにわかりやすい選択をしてもらうという二大政党制の理念に対し、有権者にわかりにくい連立を許すのは、比例代表制があるからです。もし二大政党制を理想とするなら、小選挙区だけにするべきです。

 

  • 比例代表制は、少数意見の尊重にはつながりますが、小政党の乱立を生み、決められない政治に向かう方向性をつくります。
  • 小選挙区制はその対極にある制度と言え、二大政党への集約を促進します。

 

現在は、真逆の理念の制度を同時に行っています。どうしてこういう制度になったのでしょうか?

 

衆議院の小選挙区比例代表並立制は、1994年に成立し、次の総選挙から採用されています。
当時は、政治の腐敗の排除二大政党制を意識して制定されたものです。

それ以前は、中選挙区制と呼ばれる3〜5の選挙区定員を単記制で争う制度でしたが、政治腐敗につながっていくことになり、小選挙区制という1選挙区から1人だけを選ぶやり方に変更がなされます。

比例代表並立制は、当時、
選挙制度変更の激変緩和のための経過措置
として制定されました。

それが20年にわたって継続されてしまっていることは、少数政党の抵抗も相当根強いのでしょう。
しかし、さすがに再考の時期に来ているのではないかと感じます。

わたしは、民主党が政権交代を達成したあとに最初にすべきだったのは、本当は選挙制度の改革だったのではないかと思っています。

 

さて、さらに衆議院の比例代表並立制の問題として、「名簿拘束」「重複立候補可」であるということがあります。
比例名簿の順位を指定することで、政党幹部が当選しやすくなるのです。

このことは、たとえば政権与党の責任を問う場面でも、有権者は、ほんとうに責任を取らせたい人を落選させることが出来なくなる可能性が出てくることになります。

そして、もうひとつの仕組み、政党交付金により、さらに政党幹部に権力が集中します。

政党交付金は、政党に、議員の数に対して税金から支払われるお金です。
2013年度みんなの党には、17億8950万円支給されています。
みんなの党に関して言えば、渡辺代表ひとりに権限が集中していたと言われ、不透明な使途について問題視されていた経緯があったようです。
(みんなの党渡辺代表に関わる怪文書)

また、年末にこういう党の分裂が起こりやすいのは、政党交付金の分配の区切りが年末で行われるからです。
年度の早い時期に離党して新党を立ち上げても、お金が支払われるのは元の党ということになります。
年内に新党を立ち上げれば、年明けから新党に政党交付金が支払われます

このことに対して、渡辺代表も「政党交付金目当ての分裂」とコメントしていますが、そもそも、いなくなった議員に対して支払われるお金が元の党に入るということの方にも違和感を感じます。

 

「比例の議席はみんなの党の議席だ」
(みんな・渡辺代表「出ていっていただく」)
さて、渡辺喜美代表のこの発言ですが、

たしかに比例代表の議席は、選挙の時に「みんなの党」と書いた票で決まりました。
しかし、事はそう単純ではないと思います。
現在の衆議院総選挙における比例代表は、「同一順位可能な名簿拘束」「小選挙区との重複立候補可」でありますが、さらに「惜敗率によって」誰が当選するかが決まります。惜敗率とは、小選挙区でどのくらい健闘したかの数字です。

選挙区で応援する候補者のいる場合、比例区でも、その候補者のために政党の票を入れることがほとんどでしょう。
そして、政党幹部による意図的な比例順位の並び替えがされない限り、小選挙区の重複候補者は通常1位に並べられますので、個人の小選挙区での頑張りで惜敗率が高くなれば、比例区での復活当選につながります。

確かに党の代表として当選するのですが、個人の得票で選ばれている部分がかなり大きいのです。
はたして有権者が、顔の見えない政党の代表と考えて入れた票はどのくらいあるのか。

さらに、今回のようにかなり大規模な分裂の場合は、名前はいまだに「みんなの党」だとしても、すでに選挙の時のみんなの党ではなくなってしまっています。一部では「よしみの党」になったと言われるくらいです。

議席ははたして誰のものなのかを有権者の立場で考えると、非常に難しい問題と言わざるを得ません。

 

今回の分裂は、渡辺代表に権力が集中したことから始まり、それを手放すことに対する抵抗から起こった。それには現在の中途半端な選挙制度が遠因になっているのではないでしょうか。

有権者にわかりにくい政局を繰り返し、小政党が乱立する政治にお別れして、選挙で有権者自ら審判を下すことができるようにするためには、早急に比例代表並立制を廃止して、小選挙区制に一本化すべきだと考えます。

 

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