私は都知事選挙の中盤から家入さんのお手伝いをさせて頂きました。
政治がぼくらの声を聞いてこなかった様に、ぼくらもまた、政治家に押し付けてきた。ぼくがメディアから泡沫候補扱いをされたように、ぼくらもまた、泡沫有権者のような扱いをされてきた。政治とぼくらの間にある断絶を埋めたい。
とてもシャイな家入さんですが、彼がポツリポツリと紡ぎだす言葉は、これまで政治に関心をもてなかった層に確実に響いているようでした。
その家入さんは、インターネッ党を立ち上げ「2020年までに、東京23区の全区長選に若い候補者を擁立する」と発表しました。
家入一真氏が「インターネッ党」設立 東京23区の全区長選に候補者擁立へ
しかし現実には、23区長のひとつであっても、選挙で勝つことはたいへん難しいでしょう。
家入さんが、政治を変えたいとすごく真剣に考えていることは、都知事選の期間中にたくさん話し合ったことで、わたしは良く理解しています。だからこそ、戦略の練り直しをしたらどうかと思うのです。
大阪では、橋下徹市長が苦労しています。
あれだけのカリスマが首長でも、議会で過半数持ってないと政治はなかなか進まないのです。
もちろん、同じ考えの議員が少しばかり集まったとしても、政治を変えることはできません。だったら、予算執行権を持つ首長を擁立したほうが改革を前に進めやすい、という考え方はよく分かります。
しかし、都知事選のときと同様、「若い人」だけに支持してもらおうとしたら当選はおぼつかないでしょう。若い人の数はだたでさえ少ないのです。区長選に勝利し、改革を進めていくためには、高齢者、中高年など他の世代に配慮し、どのように訴求していくかが絶対的に大事なのです。
特に区長選挙は、国政選挙や、都知事選と比べ注目度がだいぶ下がります。
マスコミの露出も極端に少なくなりますし、投票率が下がり、「組織票」がものをいうとても難しい選挙です。
若い人の票だけで、たった一人の当選にたどり着くのはほぼ不可能と言えるのです。
都知事選の投票日は、前日からの大雪でかなりの積雪でした。
わたしが投票所に行くまでの雪道で見たのは、手押し車を押しながら、除雪された道の一部分を懸命に歩く腰の曲がった高齢女性、介助の方に支えられながらぬかるみを歩く高齢男性などでした。
若い人が「面倒」という理由で棄権する中、大勢の高齢者の方々が真面目に選挙に行っています。わたしから見ると、それこそ命がけで投票に向かう高齢者です。
選挙で勝つならば、このような高齢者の方からの一定割合の支持を受けなければならないのです。
支持を受けるためには、理解してもらえるにはどうしたらいいでしょうか。
相手に理解してもらうためには、まず相手を理解しないといけないとわたしは思います。
そもそも、「インターネッ党」というネーミングは、家入さんも自分で「ふざけている」と表現していますが、たいへん芳しくないと思います。文字通り「ふざけている」と取られかねないこともありますが、ネットだけにこだわり過ぎているというレッテルが貼られる恐れや、若者だけの事を考えているとの誤解を与えかねません。
もしかすると、「おたくだけの集まりかよ」と思われて、リアル寄りの同じネット世代へも訴求できないかもしれません。
党名は、ひとりよがりにならず、他の世代にも真剣さが伝わるもの、より適切なものに直ちに変えるべきだと思います。
要するにあまり現実的に考えてないんでしょう!