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野合という批判は子供っぽい

政局

衆院選ですが、自民党の勝ちというより野党の失敗という印象が強いです。
野党は「統一候補」という単語が使えた選挙区も一部であったものの、結局まとまれませんでした。
政策が合わないからまとまれない、野合にすべきではないと言う主張は一理あります。しかし、この状況でそれで終わりにして良いでしょうか。

有権者は、野党の間の実のない政策論争より、自民党の派閥間の政策論争の方がまだマシと判断した。というような言い方もできるかもしれません。
少し前、自民党が派閥間の争いなどで党内がブレてゴチャついていた時、有権者は嫌になって野党を支持したりもしました。昨今その野党の間のゴチャツキが自民党よりひどいのです。

近いところでは、前回の衆院選、当時の維新の会とみんなの党がもし合併できていたらと感じる方もいるでしょう。
結果的にみんなの党は瓦解してしまいましたが、有権者がイライラするような展開が続き、それも当然の結果だったように思えます。
同様に他の野党も、このままでは同じ運命なのではないか。有権者の反応を素直に受け入れずに、自分たちの都合だけを元に行動し続けている限り、可能性は大きいと感じます。

自民党の中も、政策が一致しているわけではありません。
たとえば原発の問題にしても、再稼働に反対している人もいますし、いわゆる反原発派と分類できる人もいます。経歴を見ても、どう考えても自民党にはマッチしそうにない人がたくさんいます。
派閥やグループのそれぞれが、野党で言うと「維新の党」だったり「民主党」だったりのイメージです。「野合」という言葉を当てはめるなら、政権を維持するために野合しているのが自民党です。

自民党を「与党」という党名に変更して、ひとまずそれ以外の党をまとめて「野党」にすれば二大政党の一丁上がり。「野党」の中でそれぞれが自分たちの政策を出して話しあえば良いのです。乱暴に聞こえるかもしれませんが、その枠組みで調整ができない人たちが政権を取っても、うまく議会運営できないでしょう。

自民党が組織を維持する目的は、与党でいることであり、選挙に勝つことであり、多くの政治家ひいては有権者の考えを政治に反映させることです。
もし、それが多くの国民の幸福につながるなら、それも一つの正しい行動です。
対して、野党が細かい政策の不一致を理由にまとまることを拒否し、何も実現できない状況を受け入れるのは、いかにも子供っぽい印象です。
野合の拒否を主張する政治家の多くは、「好き嫌い」や「自分の公認の都合」だけで物を言っているのではないかと感じることもあります。

枠組みは、どのレベルで線引きを考えるかで変わるものです。
自民党が基準になっている現在は、そのレベルで枠組みを考えるしかありません。もっと現実的な選択が必要なのです。

また、政治家の側は「投票に行け」とか「自分たちの政策を理解しろ」など、有権者に責任を押し付けています。確かに民主主義において、有権者がある程度の政治的コストを払うことは必要です。
しかし、有権者に興味が持てる選択肢を提示できず、そっぽを向かれた原因は明らかに政治の側にあります。有権者の感じることを無視して、難しい話ばかりしても仕方ないのです。

有権者はただひたすら合理的に行動しているに過ぎません。
今回の選挙で、有権者の本音は明らかに「入れる政党が無い」だったことでしょう。だから、朝起きるとまず投票に行くかどうか迷い、行くと決断して投票所に着くと、今度はやっぱり入れるとこがないなあと迷いました。

多くの選挙区では自民、共産、そして野党の1つもしくは2つが選択肢になりました。
自民党が嫌な人は、共産党も違うとなると必然的にその選挙区で出ている野党になったはずですが、それがまとまってそうなったならまだしも、ただ選挙区の調整で他の党が出してなかったような状態では納得して投票できませんでした。
次世代の党が壊滅状態になったのは、イデオロギーや政策のせいではありません。投票者が合理的な行動を取った結果、選ばれない選択肢になりやすかったのです。
反自民で投票する場合に、次世代では無い方の野党がまだ勝てそうに感じたからです。どの野党もそうなる可能性がありました。

一部の有権者は「野合」に猛烈に批判的です。確かに選挙の合間にはそういう一部の「政治に詳しい」人々の大きな声が響くようになります。
しかし選挙になると、普段は政治に意見しない多くの有権者が直感的な意思表示をします。
今回の選挙結果から、「サイレント」の有権者の感じていることを、しっかり、謙虚に感じ取って、もっと大きな普遍的テーマに向かって、野党がまとまっていって欲しいものだと思います。

 

参考にして欲しい記事:石破さんが目指した政治とは(政治に関わる普遍的な想い)

 

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