議会関連

学校再編を契機としたまちづくりについて 教育こども委員会質疑

学校再編を契機としたまちづくり

以下のリンクから録画をご覧になれます。(〜15分です)
大阪市会録画配信(2021.3.15)

学校再編を契機としたまちづくり

<全文>

Q1(海老沢由紀)
学校再編を契機としたまちづくりについて質問させていただきます。
生野区西部地域の学校再編について、令和4年4月に開校する義務教育学校、小中一貫校について議決しましたが、再編により、「通学距離が遠くなることへの不安」や「保護者の負担が増える」ことに対し、もと小学校への児童の引率や、下校中の児童の見守りについて、先日の委員会で少しお伺いをしました。令和3年度予算に、事業費を計上されていますが、改めて事業内容を伺います。

A1(大川地域活性化担当課長兼生野区教育担当課長)
これまでの学校再編に関する説明会や意見交換などで、再編で学校が遠くなることにより、仕事の都合などで「児童いきいき放課後事業」へのお子さんのお迎えが間に合わなくなるといったご意見を頂戴してきました。
また、下校時の子どもの安全に関する不安の声も頂戴してきたところです。
これらの意見に対して生野区として対応を検討してきたところですが、学校再編により生じる財源を活用し、「児童の安全確保と居場所づくり」として事業委託の予算案を上程しているところです。
具体的な内容ですが、従来から「児童いきいき放課後事業」では、夕方の一定時刻よりも遅い時間まで活動に参加する児童については保護者が迎えに行く必要がありますが、「いきいき」としては新たな学校での活動となるため、希望される方について、お迎えの設定時間帯までにもと小学校(跡地)まで児童を引率のうえ18時までお預かりし、保護者の方に迎えに来ていただくこととしています。
また、新たな学校からもと小学校への引率業務の従事者については、新たな学校からの下校時間帯について、校区内の児童の見守り活動を行うこととしています。
令和3年度については、大池小学校区内の下校時間帯の見守り活動並びに大池小学校での「児童いきいき放課後事業」から、もと御幸森小学校への引率を事業の対象としているところです。

Q2
学校再編についてはこれまで様々な意見があったと聞いております。
その中でも保護者の方からは、統合に伴い「校区が広くなること」、「通学距離が長くなること」に対する不安の声も聞いていますが、大阪市では小学校の通学距離は2キロ以内を基準としており、その範囲内で、 子どもの安全確保のための取り組みを行うことが重要であると考えます。
今回の事業スキームについては、学校再編により生じる財政効果額を活用し、下校時の児童の安全対策や、保護者のお迎えの負担軽減につながる新たな取り組みであり、今後の学校再編のモデルケースになるのではないかと思います。

ところで生野区では、今月30日から民間事業者が行うAIオンデマンド交通の社会実験が始まると聞いています。そもそもAIオンデマンド交通とは、どういったものなのか、都市交通局にうかがいます。

A2(塚本都市交通局バスネットワーク企画担当課長)
デマンド型の交通については、バスとタクシーの中間的な位置づけとされており、利用者の予約に応じて効率的な運行ができるものである。
今回、Osaka Metro Groupが行うAIオンデマンド交通の社会実験では、人工知能であるAIを活用し、利用者の予約に応じてリアルタイムに最適な運行方法が設定できることで、一般的な路線バスに比べて、柔軟できめ細かい輸送サービスが可能となると期待されるもの。

Q3
今回の社会実験は、民間事業者であるOsaka Metro Groupが実施するとのことですが、大阪市として社会実験にたずさわる狙いは何なのか、うかがいます。

A3
本市では、鉄道・バス等による公共交通ネットワークが整備されているが、今後、人口減少や高齢化の進展など公共交通をめぐる環境変化が見込まれるため、将来にわたって持続可能な交通モードの検討が不可欠であると考えている。
また、大阪府・市ではスマートシティ戦略の一環として、スマートモビリティに取り組んでいくこととしているところ。
このため、本市としては、最先端技術を採り入れたAIオンデマンド交通の検討を行うこととし、民間事業者による社会実験に取り組むこととしたもの。
AIオンデマンド交通という新しい移動手段の導入により、市民の生活の質(QOL)の向上に資するかどうかについて、社会実験を通じて検証してまいりたいと考えている。 

Q4
区民の皆様には、AIオンデマンド交通の良さを体験して頂ける機会になりますので、Osaka Metro Groupに、しっかり周知活動していただくようお伝えいただければと思います。

生野区では、学校再編を契機としてまちづくりを進めていかれると聞いていますが、AIオンデマンド交通が定着することにより、生野区にとって、どのような効果が期待できると考えているのか伺います。

A4(大川地域活性化担当課長兼生野区教育担当課長)
生野区では、お住まいから駅や既存のバス停までの距離が遠いといった、いわゆる交通不便地域がある。
生野区は高齢化率も高く、また、自転車事故率も非常に高い状況にありますが、今後、さらに高齢化が進み、自転車に乗ることが難しくなってくる方々が増えてくることが想定される中で、AIオンデマンド交通の運行により、その利便性から外出のハードルが下がり、高齢者が買い物や用事のために自ら外出するといった機会が増え、経済活動が活性化されることや、さらには健康寿命の延伸にもつながることも考えられるなど、多面的な効果が期待できると考えている。
また、PTA、保護者の方が学校に行く際の利便性の向上や、学校再編後の跡地活用・運営と、これら交通の利便性の向上と相まって、より一層まちの活性化にもつながることを期待している。
さらには児童・生徒の通学時の利用など、各方面との調整など様々な課題はあるが、今後の可能性としてあらゆる方策を検討してまいりたい。

Q5
児童生徒の通学時の利用については、実現に向けての課題はあると思いますが大変期待をしております。また、障害を持つ児童の登下校の手段としても有効ではないかと思っています。
(また、生野区から隣の天王寺区にある日赤病院や警察病院に通院されている高齢者の方が多いと聞いています。エリア外にはなりますが、区民のニーズを的確に汲み取ることで、利用者が増加し、より区民に喜ばれる生活の足になることと思います。)
柔軟できめ細やかな輸送が可能なAIオンデマンド交通だからこそ、できる強みを存分に発揮できるよう、あらゆる方策を検討していただきたいと思います。

今の答弁でも少しふれられましたが、生野区西部地域では、災害時の避難所としての必要性から、特例として学校跡地を残し、活用策を検討することとされています。今年の4月には御幸森小学校と中川小学校の再編により大池小学校が開校しますが、最初の跡地となる御幸森小学校の活用検討状況について伺います。

A5(杉本まちづくり推進担当課長)
今月で閉校を迎える御幸森小学校については、その跡地活用の検討のため、昨年度より、校下の地域住民などから構成される跡地検討会議において地域のニーズ・意向を把握しつつ、また、マーケットサウンディングにより事業者ニーズの把握に努めてきた。
それらを踏まえたうえで、御幸森小学校跡地の活用計画や運営事業者の公募要件等を整理し、現在、具体的な事業者公募に向けて最終段階の準備をしているところである。

Q6
御幸森小学校については具体的な事業者公募に向けて準備をしているとのことですが、今後も学校再編が進む中で、数校の跡地が生じてくることになります。
これまでの議論の中では、「まちがさびれる」といった声もあったと記憶していますが、生野区では「学校跡地を核としたまちづくり構想」を策定し、まちの活性化に繋げる取り組みを行うこととされています。
この「構想」の考え方や、今後の具体的な進め方について伺います。

A6
生野区西部地域では、大規模な学校再編に伴って今後も跡地が生じることとなるが、その学校跡地が災害時の避難所機能だけでなく、引き続き地域コミュニティの拠点としての機能を備えながら、さらにはパブリックマインドを有した事業者により地域と連携・協働し、大人からこどもまでみんなが学べる「みんなの学校」として活用されることで、まちの潜在力を引き出し、周辺エリアも含めたまちの活性化に資するものと考えている。
そして、このような考え方をベースにしながら、今後も各学校跡地の地域特性や地域ニーズ・事業者ニーズを踏まえて、個々の学校跡地の活用計画を策定のうえ、運営事業者の公募を経て活用を進めていく所存である。

Q7
義務教育学校や小中一貫校の令和4年4月の開校に向け、子育て世代に選ばれる良い学校を作り、また、学校跡地を有効に活用することにより、人が集まるまちとなり、地域が活性化して行くのではないかと考えます。
人口減少、少子高齢化の波が顕著に表れている生野区ですが、今回の学校再編とまちづくりについて、区担当教育次長でもある生野区長の考えを聞かせてください。

A7(山口生野区長)
日本全体の少子化も止まらない中、生野区でも、子どもや孫世代が帰ってこない、新たな子育て世代の流入が少ないことで、ピーク時からこどもの数は4分の1に減っている。
そのため、生野区ではこれまでも、危機感を持って若者や子育て世代に選ばれるための「教育・子育て環境の充実」、戸建てへの建替え推進を目指す「空き家対策」、外国籍住民とまちを支える「多文化共生」を生野区のまちづくりの柱に据えて、取り組んできた。その中で、区長であると同時に、区担当教育次長でもある私としては、長年のまちの課題であり、着任の数年前から議論が本格化していた西部地域の学校再編について、少しでも早く子ども達の教育環境の改善をしたいという思いで、保護者・地域の方のご意見を伺いながら、そして市会でもご議論いただきながら取り組んできたところである。
今後、生野区に義務教育学校や小中一貫校といった新しい学校が開校され、産官学と地域連携で子どもたちの学びを支えるまちとなる準備を進めている。
生野の子どもたちが可能性を大きく伸ばし、未来を生き抜く力を養い、豊かな人生を送ることを期待しており、そのためにも魅力ある教育環境を整備し、子育て世代の転入を促したい。
また、学校再編により生じる跡地については、防災や地域活動の拠点として機能する前提の上で、施設を有効に活用し、新たな事業者や人材が地域に関わることでエリアの活性化をもたらすように進めてまいりたい。
超高齢化社会の中では、生野区に多く暮らす高齢の方が、生涯現役で人生を楽しむまちになることも求められている。多世代・多文化の人たち全てに「居場所と持ち場」があるまちとなることで、多様な人が長く住み続ける持続可能な生野区になると考えている。 

(要望)
山口区長ありがとうございました。

子育て世代は、どこに住まうかを決定するとき、こどもにとって、好ましい教育環境なのかどうなのかを大変重視します。子育て世代に選ばれる魅力ある学校を作ることが、まちづくりのスタートになるはずです。
子供を通わせたいと思ってもらえることにより人が集まり、学校跡地を有効に活用し、魅力あるまちになることで人の流れができ、まちの活性化、人口流入に繋げていくことが出来ると期待しています。
AIオンデマンド交通によりお年寄りの方の利便性も高まることになります。
多世代に選ばれるまちとなるよう、しっかり取り組んでいただくようお願いいたします。

☆質疑の模様は、youtube「大阪市会録画放映チャンネル」 でもご覧になれます。

(注)下の動画は、セキュリティの問題で、再生ボタンをクリックすると出てくるリンクからyoutubeのチャンネルに飛びます。

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