議会関連

教育子ども予算委員会 ④水都国際中学・高校について

教育こどもの予算委員会で5つの項目について質疑を行いました。

①子ども相談センターの機能強化について
②子どもサポートネットについて
③教員の働き方改革について
④水都国際中学・高校について
⑤児童虐待防止対策「精神科医療機関」との連携強化について

「水都国際中学・高校」は、大阪の公立学校として初めて「国際バカロレアコース」を設置したとして大変注目を集めている学校で、以下4点について質問させて頂きました。

Q1:志願者数や競争倍率
Q2:授業以外での英語を使った教育活動について
Q3:生徒の英語運用能力について
Q4:国際バカロレアの認定の状況

※国際バカロレアとは?
『国際バカロレア機構(本部ジュネーブ)が提供する国際的な教育プログラム。
国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)は、1968年、チャレンジに満ちた総合的な教育プログラムとして、世界の複雑さを理解して、そのことに対処できる生徒を育成し、生徒に対し、未来へ責任ある行動をとるための態度とスキルを身に付けさせるとともに、国際的に通用する大学入学資格(国際バカロレア資格)を与え、大学進学へのルートを確保することを目的として設置されました。
現在、認定校に対する共通カリキュラムの作成や、世界共通の国際バカロレア試験、国際バカロレア資格の授与等を実施しています』(出典:文部科学省IB教育推進コンソーシアムHPより)

以下のリンクから録画をご覧になれます。(39分~53分あたりです)
大阪市会録画配信(2020.3.5)

<全文>

Q1
* 昨年4月に開校した水都国際中学校・高等学校について質問いたします。
* 本校は、中高一貫教育校としては、全国で初めての公設民営学校であり、大阪市が設置する公立学校を、民間法人が管理運営するという、新たな学校の運営形態ということで、全国から注目を集めておりました。
* 実際に本校を管理運営するのが、外国語教育及び国際理解教育に実績のある、「学校法人大阪YMCA」ということで、初年度から大変な人気があり、市民の関心や期待が非常に高かったと感じています。
* さて、先日、本校の2期生となる、中学校及び高等学校の入学者選抜が実施されましたが、志願者数や競争倍率などはどうであったかお聞かせ下さい。

A1(答弁者:大西 指導部首席指導主事)
* 中学校入学者選抜については、1月25日、26日の二日間で実施し、募集人員80名のところに、395名の志願者があり、競争倍率は 4.94倍であった。
* 次に、高等学校入学者選抜については、2月21日、22日の二日間で実施し、募集人員80名のところに、102名の志願者があり、競争倍率は1.28倍であった。
* また、高等学校入学者選抜では、募集人員80名の枠内で、海外から帰国後2年以内の生徒を対象にした帰国生選抜も同時に実施し、4名の志願者があった。
* 中学校、高等学校ともにすでに合格発表を終え、それぞれ80名の入学予定者が決定したところである。
*
入学者選抜についての詳細な分析については、今後行ってまいるが、昨年度に引き続き、中学校、高等学校ともに、将来は国際的な舞台で活躍したいという思いを抱いている生徒が多く合格した。
Q2
* 中学校、高等学校の入学者選抜が無事終了し、本校2期生の入学予定者80名がそれぞれ決定したとのことで、まずは安心しました。
* ところで、本校は外国語教育と国際理解教育を重点的に行う公設民営学校であるため、多くの外国人教員を配置することが可能となり、数学や理科の授業も外国人教員による、英語を使っての授業を実施していると聞いています。
* また、授業以外の教育活動全般においても英語を使用する機会を多く設定するなど、公立学校ではなかなか経験することのできない学校生活を送っているとのことですが、具体的に、授業以外にどのような場面で、英語を多く使う教育活動を行っているのか、いくつかの例を教えて下さい。

A2(答弁者:大西 指導部首席指導主事)
* 本校では、めざす学校像の一つに、子どもたちがグローバルな視野に立って、優れた英語運用能力を身に付け、主体的に行動できる人間へと成長できる学校を掲げている。
* この学校像の実現に向け、授業以外の学校行事等において、様々な取組みを行っている。
* 9月に行われた開校記念式典では、中学生と高校生が、日本語および英語を用いて司会進行を行った。
* また、6月に行われた体育祭では英語を用いて競技運営を行い、夏休みに行われた様々な国の学生との交流会においては、英語を用いてディスカッションをするなど、様々な場面で英語を用いる機会をつくっている。
*
本校では、このように様々な活動をとおして、より実践的な英語運用能力を養い、将来的には、国際的な舞台で堂々と英語でプレゼンテーションやディスカッションをできる力を育んでいきたいと考えている。
Q3
* 本校では、授業だけではなく、学校行事等の様々な場面でも英語を使用する機会をもつことができるよう、様々な工夫をしていることがよくわかりました。
* しかしながら、英語による授業や学校行事等を十分に理解するためには、一定の英語運用能力が必要であろうと思います。
* この1年間の水都国際での学びを通じて、生徒の英語運用能力がどれくらい向上したのか、中学校、高等学校それぞれについて教えて下さい。

A3(答弁者:大西 指導部首席指導主事 )
* 中学校では、入学者選抜において英語に関する適性検査は行っておらず、入学時の英語運用能力は不明であるが、現在、ほぼ全員が英語検定3級レベルに達しており、その中には、準1級の資格を取得している中学生もいる。
* 高校においては、今年度入学時には英語検定2級レベル以上の生徒が21%であったが、11月現在では41%と、着実に力をつけていると考えられる。
* 学校からは、高校卒業時までに英語検定準1級レベル以上の英語運用能力をつけられるよう、今後も引き続き英語教育の充実を図りたいと聞いている。

Q4
* 本校での特色ある学習活動を通じて、中学生、高校生ともに英語運用能力が入学時に比べて相当向上していることがよく分かりました。
* ところで、本校は、中高一貫教育校としては全国で初めての「公設民営学校であること」と共に、大阪の公立学校として初めて、「国際バカロレアコース」を設置する予定であることで大きな注目を集めてきました。
* 国際バカロレアコースの設置については、当初は、開校初年度に入学した中学校1期生が高校2年生になる、開校5年目に開始する予定であったと聞いていましたが、これでは、開校後3年の間、高校から入学してくる生徒には国際バカロレアの授業を提供することができないため、我が会派としては、国際バカロレアの認定手続きについて、できる限り前倒しすべきだと以前から指摘をしてまいりました。
* 昨年度(平成30年度)の決算特別委員会において、我が会派の佐々木委員から、国際バカロレアの認定に向けた手続きの進捗状況について質疑をしたところ、「当初の予定を前倒しして手続きを進めており、順調にいけば、高校入学1期生が2年生になる令和2年4月から国際バカロレアコースを開設できる可能性がでてきた」との答弁がありました。
* もうすぐ新年度を迎えることになりますが、国際バカロレアの認定の状況はどうなっているのか。
* また、4月から国際バカロレアコースを開設することはできるのかお聞かせ下さい。

A4(答弁者:大西 指導部首席指導主事 )
* 本校においては、高校2年次より国際バカロレアコースを選択可能としており、その開始予定時期は、開校初年度に入学した中学校1期生が高校2年生になる、開校5年目の令和5年度としていた。
* しかしながら、委員ご指摘のとおり、国際バカロレアに対する生徒、保護者の期待の声が多く寄せられていることもあり、できるだけ早く国際バカロレアコースを開始できるよう、当初の予定を前倒しし、開校前に国際バカロレア機構への申請手続きを行った。
* その後、本校が開校し、国際バカロレアに精通した本校スタッフたちの尽力もあり、順調に認定手続きが進み、今年2月上旬に認定のための最終審査を受け、2月21日に正式に国際バカロレア認定校となった旨の通知をいただいた。
* 正式に国際バカロレア認定校となったことを受け、令和2年4月より、国際バカロレアコースを開設し、高校2年生に国際バカロレアの授業を提供することが可能となった。
* 結果的に、令和5年度に開設を予定していた国際バカロレアコースを、令和2年度に開設できることになり、当初の予定より3年早まったことになる。

要望
* 当初の予定より3年早く国際バカロレアコースを開設できたことにより、開校初年度に高校へ入学した生徒にも国際バカロレア資格を取得するチャンスができたことは大変喜ばしいことだと思います。
* また、これまでは、インターナショナルスクールや私立の学校でしか受けることのできなかった国際バカロレアの授業を、大阪の公立学校として初めて実施することは、非常に意味のあることと考えています。
* 国際バカロレアの認定校となったことで、本校の注目度はさらに高まるものと思われます。
* 今年度の一年間、本校には毎日のように多方面からの視察が訪れるとともに、教員研修や地元の学校との交流等も多く実施してきたと聞いております。
* 4月から国際バカロレアの授業が始まれば、これまでより多くの視察があり、研修や交流等についてもさらに積極的に実施していくことになると思います。
* 国際バカロレアの最大の特徴は、学習者である子どもが学びの主体であり、自ら課題を発見し、まわりと協力して問題を解決していく「課題探究型」の学習手法であります。
* 4月以降に実施される国際バカロレアの授業について、その学習手法のエッセンスを、1校でも多くの本市の学校に普及し、広めていってもらいたいと思います。
* 開校2年目を前に、将来は世界やアジアというフィールドで活躍したいと入学してくる生徒たちの、ひとりひとりの夢が実現出来るよう、学校を運営する大阪YMCAには次代を切り開く人材を育てるミッションに向けてしっかりと頑張っていただき、これからが、真価が問われてくる時ですので、教育委員会事務局におかれては、しっかりと大阪YMCAを支援していただきたいと思います。
* 素晴らしい設立理念のもと、本校で学んだ生徒たちが切り開く将来を楽しみにしています。

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