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SNSでデマや誤りがネットで広がった時はどうするか

abemaPrime

Twitterでブログ記事のリンク先のツイートを出しても、ブログの本文は読まずに、ツイートのコメントだけ読んですぐ返信してくる方が、今はとても多いですね。好意的なコメントは、とてもうれしいのですが。
今は長い文は読まれず、タイトルなど見出しだけの重要度が高い感じ。
Twitterも「まず読んでみませんか?」とリンク先をクリックすることを勧めてきますが、実際には元記事はそれほど読まれないのではないかと思います。

同様に、憶測で書かれた興味深いタイトルの記事に、いくら詳細な説明・反論のコメントを出しても、きちんと読まれることは少ない。
どうしても切り取り動画や、センセーショナルで面白いタイトル、共感を誘う感情的で短いコメントには勝てません。

セクハラの記事については、「セクハラをした」という外部の人の断定的な意見を使って、朝日新聞が無責任な記事にしました。この時点ではわたしは被害者扱い。
それにジェンダー・フェミニスト・政治的利害関係者などの方々が乗っかってきて、「セクハラが間違いなくあった。それに対して声をあげないのはけしからん。」と、わたしへの攻撃に変わりました。
二次的な拡散は、当初と異なる方向へも熱量を持っていくことになったようです。

『ABEMA Prime』の出演時に、わたしは、「報道する側が、センセーショナルに発信した最初と同じ熱量、それ以上の熱量で、訂正記事を報道するしかない」とお話しました。
そうは言ったものの、実際にはそこまでして訂正されることは、まず無いし、二次的な拡散を上回るのはさらに難しいと思います。
訂正記事に必要な熱量について、EXITの兼近大樹さんは「自傷行為くらいの攻撃性で」、茂木健一郎さんは「土下座するくらの熱量」と表現されていました。

反論が届かないのであれば、起点になる記事や投稿を、できるだけ最初に出されないようにするしかない。
最初の投稿は、多くはごく少数の特定の方によるものです。
わたしの場合も、セクハラ以外の憶測によるバッシング記事が、常軌を逸してたくさん出されたのですが、そのほとんどがある特定の記者によるものでした。そこを起点として、様々なメディアで拡散されるのです。
説明・反論をブログに上げても、それを同じように拡散することは難しい。
いくら考えても、いちいち訴えてペナルティを科し、次のための抑止力としていくことくらいしか思いつきませんでした。
特に、仕事として収益を目的とした記事投稿や利害関係者からのものなど、出す方に動機がある場合は、ペナルティを科す以外に止めることはかなり難しいでしょう。

訴訟にすると、今度は「スラップ訴訟だ」と言ってくることも、よくある話です。
実際に、なんでもすぐ訴訟になる海外では、スラップ訴訟を防止するための法律がしっかり整備されている国もある。それも必要なことでしょう。
しかし、日本はまだまだ訴訟になることはまれで、「最初に言ったもん勝ち」の風潮にあると思います。
しばらくは、訴訟を通じて責任を問う動きをコツコツやっていくことにも価値があり、唯一の方法ではないかと思っています。

一方、言論に対する自由、報道の自由も、大切な論点だと思います。
ここで、わたしが自分の思いとして記しておきたいのは、「相互批判」についてです。

品位のある社会とは、弱い立場の人やマイノリティの主張を優先しつつ、相互批判が可能でなければならない。
まっとうな批判は許されるが、屈辱を与えることは認められない。

(哲学者アヴィシャイ・マルガリートの著書より)

SNSでは熱量が一方通行になり、「相互批判」が成立しにくいことが問題です。
攻撃する側のみなさんは、自分の発信が正義に基づいていると思っている方も多い。攻撃対象が悪であったり、強者であると思っている。
しかし、相互批判が成り立たないことで「屈辱」につながりやすい。
場合によっては、周りで見ている常識的な人々にはとても容認できない、恐ろしい攻撃になることもあります。

自分が気軽に発信している内容が、思い込みではなく、ほんとうに正しいのか。相手に対してどのような影響を与えるのか。相手はほんとうに自分が思っているような悪なのか。
難しいことですが、少し慎重になって考えることも、社会の品位を上げることにつながるのではないでしょうか。

報道は、公のものとして、さらに公平性を常に意識し、両論を併記することが最も重要だと思います。
一方的で品位の無い記事には、「それって、あなたの感想ですよね?」と投げかけるのもアリかも。

SNSの問題、デマや誤った情報に対しどう対処すべきかについては、様々な視点を意識しながら、さらに考えていきたいと思います。

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